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ドクターさわやまの「当世健康講座」:亭主を早死にさせる10か条

第3条 「糖高い 食後だけじゃん 気にしない!」

今回は糖尿病に関しての話題です。

糖尿病に罹っていて朝食後に指先で血糖を測定している亭主がつぶやいています、「血糖が高いなー」。それに対して、病院で早朝に測定してもらった空腹時血糖が正常範囲にあったことを知っている奥さんが答えて"食後だけじゃないの、気にしない気にしない!"

さて、この状況はどのような理由で亭主を早死にに追いやっているのか皆さんお分かりでしょうか?

最近まで血糖を測定するに当たっては「朝食べないで来て下さいよ」と言われ空腹時血糖を測っていたものですね。でも最近では少々違うようです。 空腹時血糖値は正常であっても食後血糖値が異常に上昇する方のほうが将来、脳梗塞や心筋梗塞に罹る率が有意に高いことが国内外の臨床研究で判明しました。 当院でも血糖を測定する方には普通どおり食事を召し上がって来院していただくようお伝えしています。 このことはコレステロール値や中性脂肪を測定する場合にも当てはまります。

糖尿病を食後血糖値から診断した場合、 140mg/dlまでは正常値、 140mg/dlから200mg/dlまでが予備軍 200mg/dl以上が糖尿病ということになります。 さらにたとえ予備軍でも糖尿病同様に心臓血管病の危険率が高いという臨床報告も出てきています。

このようなことから、造詣が深い奥さんはこの事実を承知していると思われます。 だからこそ、亭主に向かって「食後高血糖だけでは気にしない気にしない、食前高血糖でさえなければね」と、脳梗塞や心筋梗塞での早死にを促しているようですね。

またしても、知識を先取りした奥さんの「判定勝ち」?いや「ノックアウト勝ち」でしょう。